本多孝好 『MOMENT』
この本との出会い
この本との出会いは古い。
初めて手に取ったのはおそらく学生の頃だ。
僕ってばその頃全然本なんて読んでいなかった。
しかし、なんとなく手に取ったこの本。
これが面白くて、
「本っていいなあ……!!」
と感動したのだ。
読書のきっかけをくれた小説だ。
どんな内容か
主人公は病院で清掃員のアルバイトをする神田という男。
大学はなかなかいいところに通っているらしい。
この神田が「必殺仕事人」という存在となって(正真正銘ではないのだが)、
病院内で起こる様々な出来事に関わっていくという話。
連作短編集だ。
叙情的な魅力
神田の性格のせいだろうか、物語は叙情的に進む。
結構泣かせにくる内容でもある。
人の生や死に関して自然とスポットライトが当てられる。
ゆえに、軽くて楽しい内容では無い。
しかし、読んで損は無いと思う。
関連本
『MOMENT』に登場する葬儀屋、森野を主人公にした『WILL』。
神田や森野の過去や未来にスポットライトを当てたスピンオフ作品『MEMORY』。
二つとも『MOMENT』の世界に浸れた人間だったら楽しめるはずだ。